フッ素塗布

2022.12.16

こんにちは。

フッ素の歯に対する効能は、ご存知のように、虫歯になりかけた歯を元の状態に戻すことと、虫歯になりにくい歯にすることです。

専門的な話をさせていただくと、歯の成分の1つであるリン酸カルシウムから作られるハイドロキシアパタイトという結晶があります。これは歯の表層にあるエナメル質を構成する重要な結晶ですが、虫歯菌の出す酸に弱く、長時間酸に触れているとすぐに壊れてしまします。壊れて歯に穴が空いてしまうともう元には戻りませんが、その手前の状態、ハイドロキシアパタイトが部分的に壊れ、歯の表面が白くなっている状態であれば、酸が触れないようにしてあげることでハイドロキシアパタイトの修復が起こり、元の状態に戻ります(これを再石灰化といいます)。その際にフッ素があると、この再石灰化を促進することが分かっています。そのため、虫歯になりかけた歯が元の状態に戻りやすくなるのです。

また、ハイドロキシアパタイトはフッ素と触れ合うことでフルオロアパタイトという結晶に変化します。このフルオロアパタイトはハイドロキシアパタイトと違って酸に対して安定した結晶です。そのため、虫歯になりにくくなるのです。

前回の保険改定で、このフッ化物歯面塗布が保険導入されています。対象は16歳未満のう蝕多発傾向者、65歳以上の初期の根面う蝕がある方、エナメル質初期う蝕の認められる方、となっており、かなりの方が対象となります。

3カ月に1回保険でフッ素塗布ができるので、是非ご利用ください。

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