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院長の独り言

噛むと特定の歯が痛いとき(2022/12/10)

こんにちは。

今日は噛むと特定の歯が痛いときの話をしようと思います。

そのような時に多いのが、その歯に力が掛かりすぎている状況です。

歯というのは顎の骨に支えられているわけですが、直接骨とくっついているわけではなく、骨との間には、歯に掛かる力を直接骨に伝えないようにする歯根膜というクッションのような組織を介しています。

特定の歯が強く反対側の歯と当たっていると、その歯根膜に過剰な力が掛かる結果、歯根膜炎とよばれる炎症が起こります。その結果、噛むと痛い、という症状が出てくるのです。

なぜそれまで大丈夫だったのに、突然その特定の歯が反対の歯と強く当たりだすか、疑問に思う方もいると思います。

それは、噛み合わせの状態というのが、噛むことによってミクロの単位ですり減っていて、常日頃から変化し続けているからです。ミクロ単位のかみ合わせの変化が積み重なっていって、体が許容する以上の力を特定の歯が受けるようになると、噛むと痛い、という症状がでてくる、ということですね。

そのような場合には、噛み合わせの調整をすると、痛みが治まることがほとんどですから、心配されることはありません。ただ、調整したらすぐよくなるかというと、症状的には腱鞘炎のようなものですので、すぐにはよくならず、徐々に痛みが取れていく感じになります。

また、歯医者にかかるまでに心がけていただきたいこともあります。

それは、食事の時以外で上と下の歯を嚙みしめていることが多いようであれば、それをできる範囲でやめていただく、ということです。

歯というものは、常時噛みしめておくようにできているわけではありませんので、常日頃から噛みしめの力がかかっていると、噛み合わせの状態に問題がなくても、痛みが出てきます。

力仕事をしている方には難しいかもしれませんが、それでも食いしばっている時間をなるべく短くするだけでも、大分違ってきます。

また、夜歯ぎしりをしているような方は、朝起きると顎がだるい、歯が痛い、などの症状が出ていることも多いかと思います。夜寝ているときに食いしばるのをやめろと言ってもそれは無理ですから、その場合はナイトガードを入れていただいて、上と下の歯が直接かみ合わないようにしてあげる必要があります。

噛むと痛い、という状況で多いのが、今までお話してきたように歯に掛かる力が強すぎる場合であるのは確かですが、根っこの先に膿ができていることもあり、そのような場合には歯の根っこの治療をしなければ痛みは取れませんし、それ以外に原因があることも多々あります。

いずれにしても、その判断は歯医者でないとできないので、結局のところ、定期的に歯医者さんに掛かって、噛み合わせの調整も含めて、お口のお手入れをしておくのが最善、ということになります。

皆様の定期的な来院をお待ちしております。

検診・歯石取り・歯のクリーニング・フッ素塗布などもご予約いただけます。3か月先のご予約もお気軽にどうぞ。

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